「親権停止に向けた法改正」成立のポイント
まずは私がアメブロにて過去(2010年12月)に書いたこちらの記事を御覧ください。
止まらない児童虐待件数の増加に対応するため、法制審議会が画期的な要綱案を決定しました。
もともと11月に示されていた第1次要綱案でも、その方向性が示されていたのですが、「児童虐待があった場合、その親権を最大2年間停止できる」という規定が、来年の通常国会での民法改正案に組み込まれることになりそうです。
具体的には、虐待やネグレクト(育児放棄)などで「子の利益を著しく害する」場合、親族や子ども本人、検察官、児童相談所長らの請求により、家庭裁判所の判断で、2年以内の 期間を定めて親権停止を命じることができるとしています。停止期間は、親の状況や子どもの心身の状態を考慮して家庭裁判所が判断し、延長も可能です。
親権を逆手にとって児童相談所の介入を拒否するケースが後を断たないことから、このような改正を答申する方向で調整することにしたというのが、実情でしょう。
来年2月の法制審議会総会で承認を得た後、正式に法務大臣に答申を行い、その後民法改正法案が国会に提出される予定です。
この法制審議会の答申を受けて、2011年5月に開かれた「第177国会」にて民法と児童福祉法を改正する法案が提出されていました。
民法での改正のポイントは、なんといっても「最大2年間の親権停止」を可能にしたこと。
従来から民法834条には
という規定がありました。
しかし、親権喪失の期間が具体的に定められていなかったため、実際に使いにくい条文とされていて、虐待防止のために役立っているかどうかが疑問視されていたのです。
今回成立した改正法により、民法834条は、
と変わりました。
さらに、
834条の2という条文を新しく追加しています。
第1項:
父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。
第2項:
家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、二年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。
この親権停止の審判は、児童福祉法の改正により、児童相談所の所長にも請求権が認められました。
これらの改正により、虐待を行う親権者を児童から引き離すことが、これまでよりもやりやすくなると期待されています。
改正法の施行時期は、2012年4月1日の予定です。